후리가나로 읽는 일본 고전
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
長与 善郎의 青銅の基督(せいどうのキリスト)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 66,703자 · 133화면
と追窮して考える気にはなれなかったほど満足な自意識に酔っていた。そして自意識がそのように満足した時にのみ人の心に湧然と起こって来る一種の愛情――すべての悲劇的運命の中に生死を賭して真剣に生きている人々、その緊張した一々の顔――に対するなまなましい哀憐が彼の胸のうちに苦しく痛ましく起こって来るのであった。そしてその「悲劇的な運命」の人々の顔が、抽象的に人類全体の一つの不幸な姿に見えて来た時、彼の目に熱い涙が浮かんで来た。
彼がもういつのまにか去ってかすかに遠雷のように聞こえる嵐の音に耳を傾けながら、降るごとく一面に星の現われた空をぽかんと仰向いて見上げていた時、突然何か驚くべきものを見るように彼は「アッ」といった。彼が驚いたのは当然であった。彼が何心なくぽかんと視入っていた大空の一角には、実にことさらに星をその形に並べてちりばめたとしか思われぬ巨大な十字形の一星座がぼうっと見えるのであった。それは彼の目が涙にうるんでいた加減であったかもしれなかったが、愕然として思わず彼が半身を起こし、そしてその恐ろしい巨大な十字架に相応するだけのキリストのすがたをふと心に描いた時、突然稲妻のように、ある天啓が彼の頭にひらめいたのであった。