후리가나로 읽는 일본 고전
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
坂口 安吾의 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇(いずこへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,879자 · 242화면
なんでも夢のように歩いていて、しまったと思いながら自動車の曲る方へ自分も曲ってしまったのを覚えているというが、私のように運動神経が発達していないから、やられ方が至って地味でそのうえむごたらしい。いきなりつんのめって前頭部を強打した。前額は頭蓋骨でも一番頑強な部分だから砕けなかったが、これが左右とか後頭部なら完全に即死だった。そのうえ手と足を轢かれて全治一ヶ月の重傷とある。ところが話はこれからさきが洵に愉快である。
先生病院のベッドの上で気がついたときの様子はというと、顔が二倍ぐらいに腫れあがっていて、人相は四谷お岩をむくましたようだった。斯様な状態に於て先生おもむろに意識恢復し、全般の記憶を綜合してどうやら自動車に轢き倒され文句なしに顔を強打したという穏かならぬ自らの境遇に気付いたとき、暗澹たる寂寥に胸を痛ましたであろうことは疑いのないところであるが、流石忽然として暗夜に一道の光明を見出すが如く例の天才――乳母車をひっくり返した幸運なてあいのことを思いださずにいなかった。傷の痛みのなかではあるが先生とみに勇気づいた。やがて顔の腫れもとれ、どうやら口がきけるようになった最初の朝、医者に向って先生が叫んだこの劃時代的な第一声というものは、勿論思いつめたその一つのことである。