후리가나로 읽는 일본 고전
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
坂口 安吾의 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇(いずこへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,879자 · 242화면
(二)
「そんな筈はない。それじゃあ小田原近郊でしょう。とにかく山上のその酒場で貴方と酒を呑んだではありませんか」
「あれは普通の安カフェーの二階ですよ」
私の放浪はそんなものだ。魂の放浪がひどいのである。かくまでも印象深い街の灯の風景が無残にくずれたとなると、私はもはや小田原の街に就て一語の印象を語る勇気も持ち合せない。
去年は一夏信州の奈良原鉱泉というところにいた。寂寥に堪えきれなくなって酔い痴れ、山を降って上田市や丸子、大屋、田中村なぞの宿場の旅籠に泊ったりしたが、覚えているのは目の覚めた部屋にあった掛物ばかりで「常に悔ゆる者はよし」なぞという有名なクリスチャンの書いたものがそんな場所にあったりして奇異の感を懐いたことを忘れない。酔余素敵な女に会った。忘れかね山を降りて会いに行ったら印象とまるで違った女の様子に這々の態で逃げ出したことがあった。
(二)
八ヶ岳の中腹に本沢という温泉がある。海抜二一〇〇米ぐらいの地点にあるらしい。大正十二年に出版された某登山家の著書によると、この温泉は春ひらいて秋とざす。一冬八十円の報酬で留守番を置き残し一同下山するが、春に訪れてみると大概番人は死んでいる。