후리가나로 읽는 일본 고전
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
坂口 安吾의 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇(いずこへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,879자 · 242화면
すると、私のつれている女は、矢田津世子だった。そして私は、ものうい昼の湯の宿の物思いから、我にかえる。私の女が、ひとりで喋り、ひとりでハシャいでいるときにも、私はそれをきいたり見たりしているような笑い顔で、ふと物思いに落ちこんでいた。
「あなたは奥さんないの? アラ、うそ。あるでしょう」と、女がきく。
「あるよ」
「お子さんは」
「一人だけ」
「あなたの奥さんは、とても美人よ。私、わかるわ。ツンとした、とても凄い美人なのよ」
「どうして、分る」
「ほら、当ったでしょう。私の経験なのよ。私みたいな変チクリンなお多福を可愛がる人の奥さんは、御美人よ。私、何人も、その奥さんの顔を見てやったわ。美人女給を口説く人の奥さんは、みんな、ダメ。でもね、私を可愛がる人は、特別優秀なのよ。なぜだろうな。よっぽど私が、できそこないなのかしら」然し、女は、どことなく可愛い顔立ちだった。それに、姿がスラリとして、色気があった。心が無邪気であるように、全身に、無邪気な翳がゆれていた。二十三とか四であったが、十七、八の小娘のようなところがあった。全裸になって体操するのが大好きで、ひとり余念もなく、大らかで、たのしげで、だから清潔で、温泉の湯ぶねの中でも、のびたり、ちぢんだり、桶をマリか風センにして遊んでいたり、いつも動いているのだ。