후리가나로 읽는 일본 고전
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
坂口 安吾의 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇(いずこへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 119,879자 · 242화면
私はただ癪にさわっていただけだ。女中がたくさんいるのに、なんのために私が墨をすらなければならないのか。その父とは私に墨をすらせる以外に何の交渉関係もない他人であり、その外の場所では年中顔を見るということもなかった。
だから私は父の愛などは何も知らないのだ。父のない子供はむしろ父の愛に就て考えるであろうが、私には父があり、その父と一ヶ月に一度ぐらい呼ばれて墨をする関係にあり、仏頂面を見て苛々何か言われて腹を立てて引上げてくるだけで、父の愛などと云えば私には凡そ滑稽な、無関係なことだった。幸い私の小学校時代には今の少年少女の読物のような家庭的な童話文学が存在せず、私の読んだ本といえば立川文庫などという忍術使いや豪傑の本ばかりだから、そういう方面から父親の愛などを考えさせられる何物もなかった。父親などは自分とは関係のない存在だと私は切り離してしまっていた。そして墨をすらされるたびに、うるさい奴だと思った。威張りくさった奴だと思った。そしてともかく父だからそれだけは仕方がなかろうと考えていただけである。
子供が十三人もいるのだから相当うんざりするだろうが、然し、父の子供に対する冷淡さは気質的なもので、数の上の関係ではなかったようだ。