후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
たかしまいし
高島異誌
国枝 史郎
国枝 史郎의 高島異誌(たかしまいし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,007자 · 26화면
歯の無い口
歯の無い口
「偖こそ妖怪!」
と純八は、腰の太刀に手を掛けると、キラリとばかりに抜き放した。途端に飛びかかる蟒の胴を颯と斜めに切り付ける刹那、太刀は三段にバラバラと折れた。
「南無三宝!」
と飛び退いた折しも、
「お逃げなさい!」
と叫ぶ声が、背後の方から聞えて来た。
「もう逃げるより仕方が無い」
純八は一散に走り出した。元来た方へ走るのである。走り乍ら振り返えると、シューッ、シューッと音を立て乍ら、蟒は後から追っかけて来る。「追い付かれては一大事!」と、彼は今は見返えりもせず、命限り走って行く。行手に梅の古木があり、根元に一箇の洞穴がある。洞穴へ飛び込んだ。と、その瞬間、月の光の、ほのかに地上を照らしている、小坂観音の境内が、彼の眼前へ現れた。
「あら有難や、魔界を遁がれたは!」
「恐ろしいか! 本条純八!」――嗄れた声が背後から呼ぶ。
「何を!」
と彼は振り返った。梅の古木の洞穴から、僧が半身を現しながら、歯の無い口を大きく開けて、声を立てずに笑っている。
「己れ妖僧!」と小刀を抜き「覚えたか!」と切り付けた。
夥しい臭気が洞穴の中から、煙のように噴き出したかと思うと、妖僧の姿は既に消えて、斯う叫ぶ声ばかりが聞えて来た――