일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면

아오조라 문고

があって、それからずんずん直ったのでした。強情だった娘も、さすがに疲れた時だったのでしょう。それから市場にも病家が出来ました。その後その家の前を通る時には、ここが長襦袢の家だと思いました。

市場の近くに、寄席がありました。小路の奥まった所で、何といいましたか、その名の這入った看板が往来に出ていました。兄は毎日そこを通られるのです。小さいけれど、三丁目にも寄席はありましたが、近いので、顔見知りの人が多いからでしょう、遠い方の寄席へ行かれます。夜一しきり明日の下調べが済むと出かけられるので、なるべく目立たぬ服装をして、雨が降っても平気です。尤も乗物などはありません。

どうしたのか、その寄席へただ一度連れて行って下さいました。入口で木戸番がにっこりして、手磨れた大きな下足札を渡しました。毎朝車で通る人とは知るまいと、兄はいつもいわれますけれど、どうでしょうか知ら。すぐ女が薄い座蒲団と煙草盆とを持って来ます。高座に近く、薄暗い辺に座を占めて、すぐ煙筒をお出しになります。家では煙筒をお使いになりませんから、珍しいと思って見詰めていました。

あまり人はおりませんでした。