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あめんちあ

あめんちあ

富ノ沢 麟太郎

「改造」1911(明治44)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,594 字 · 83 页

青空文庫

彼はこんなふうに、彼自身を嘲りながらも、言葉では自分の身振りをつづけていた。

「おれは自分の母親をこの都へ呼び寄せる……おれは自分が身のほどに働いて……お前はもう働けないのだ。

お前には最早働くなどという能力はないのだ。

よく見てみろ、蜂の巣のように破れたその頭! 姿勢の外は飾れないその躯! 売却したも同じその胸のなかの魂のない心!……いや、これらは昔からの固定観念かも知れない。

そしてこれらはおれの舞台上の過程であるかも知れない。

こんなもののシンメトリーが、おれというものを、或型に入れるのかも知れない。

それこそいままでにない新らしい型の混合の最初かも知れない。

そしておれは形而上形而下以外の別のものになるのかも知れない。

そしておれは不死の約束に入れられて、新らしいものの継続をつづけるのであるかも知れない。

」彼は半信半疑の心で、自分自身を嚇しながらも、黄金の都会へでも来ているかのように独り言を囁いた。

「それにしても、おれは浅薄にも溜息とともに大学を止した。

一たいその遠因は何に拠ったのであるか。

それは思い出さなければならないほど遠い昔のことであろうか。

あ、それはそれほど遠い過去のことであった、それ以来、おれはずっとアンニューイという生物のような智力に苦しめられつづけて来た。