轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あるふゆのばんのこと

ある冬の晩のこと

小川 未明

「婦人倶楽部」1928(昭和3)年4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,140 字 · 9 页

青空文庫

「あんたは、まだ、小さいから、なんにもしてくださらなくてもよいのです、さあ、早く、お家へお帰りなさい。そして、よくお母さんの看病をして、おあげなさい。」と、彼女は答えた。

いつしか少女は、どこかへ去ってしまい、彼女は、さびしい道を歩いてゆきました。

翌日の晩も、彼女は橋のほとりにすわって三味線を弾き、唄をうたっていました。美しいふうをした女や、男は道ばたに、こうして、哀れな女が、救いを求めているということを、見向きもせずに、さっさとゆきすぎてしまったのです。女はこれに対してだれをうらむこともできませんでした。

ちょうど、このとき、どこからか、青い色の着物を着た、少女が、女の前へやってきました。

「おばさん、昨日はありがとうございました。おかげさまで、お母さんは、だいぶいいのです。それで今夜はわたしが、お礼にまいりました。わたしが、ここで踊りますから、おばさんは唄をうたってください……。」といって、少女は、女の弾く三味線に合わせて、みごとに踊ったのであります。

彼女は、昨夜のことを思い出しました。目に見ることはできなかったけれども、それは、たしかにあのときの少女でありました。