轻松读懂日语经典作品
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いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
「サンデー毎日臨時増刊仲秋特別号」毎日新聞出版、1952(昭和27)年10月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,304 字 · 45 页
「掬水亭のおたけさんかね」
「外島とおいしとのことも彼女が話してくれました、外島というのはいやな奴で、二人のあいだには約束があるだけなんですが、すっかりもう情人気取りで、小遣なんかせびるだけせびっているということです、夫婦になったらさぞ泣かされるだろうと云っていましたよ」
「外島は八幡屋たちに貢がれてるんじゃないのか」
「足りないんですね、縞の財布が空になる土地ですから」堀は顔をしかめた、「来たときから女にだらしのないやつだったそうです」
保馬は勘兵衛の顔を見た。
「おたけ女史は信用できるのか」
「私は浮名は立てませんがね」
「するとつまり、辣腕なんですな」保馬はそう云って調書を見まわした、「――だいぶ出揃ったが、そろそろ役所のほうと突合せにかかるかな」
「気づかれないうちのほうがいいですね」
「いやな役目だ」保馬は眉をひそめた、「誰かがしなければならない。藩ぜんたいの浮沈に関するので、やむを得ないことはわかるけれども、こんな仕事はじつにやりきれない、早く片づけて帰りたいものだ」
堀や仲田はなにも云わなかった。
その夜は保馬にとって寝苦しい夜であった。それに続く数日も、彼は引立たない気分ですごした。