轻松读懂日语经典作品
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いしがおごる
いしが奢る
山本 周五郎
「サンデー毎日臨時増刊仲秋特別号」毎日新聞出版、1952(昭和27)年10月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,304 字 · 45 页
「そうのようですね」保馬は云った、「もうだいぶ進物を貰いましたよ」
又兵衛は一種のすばやい眼つきで、保馬を見た。しかし、保馬の表情からは、なんの意味をもさぐり出すことはできなかった。
「どうか注意して下さい」又兵衛は少し声を低めて云った、「どこにどんな罠があるかしれませんからね、よかったら私がお役に立ちますよ、狭い土地だし四年もいるので、たいていな事情には通じているつもりです、ことに商人関係のことならですね、……どうか不審なことがあったら遠慮なく呼びつけて下さい、なにを措いてもとんで来ますよ」
「そんなことにならないように望みますね」保馬はあいまいに答えた、「もしそんなことがあったら、意見を聞かせてもらいますよ」
又兵衛はまもなく帰っていった。その夜、仲田と堀とは、夥しい進物の記録を作った。贈り主と品物の名数、中に金の入れてあるものはその金額など。ひどく念いりな記録であった。それが終ってから、はじめてみんな寝所にはいった。
明くる日、保馬は登城して、重臣の部屋へ挨拶にまわった。
もちろん形式だけであるが、城代家老の部屋には原田監物という筆頭年寄がいて、半刻ばかりも保馬をひきとめた。