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うずめられたかがみ

うずめられた鏡

小川 未明

「女学生の友」1953(昭和28)年8月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,962 字 · 12 页

青空文庫

しかし私は、そのことを正直に、うちあけることができません。なぜなら、ほかの六人の男たちは、みんな、その男より身分も高く、物持ちであり、勢力もありますから、それを知ったら、きっと、そねんで、どんなしかえしを、するかもしれません。私はいっそ、二人で、山のあちらへにげていこうと思いましたが、くまや、おおかみのいる森や、谷を奥深くはいらなければなりませんので、食い殺されることなしに、ぶじいけると思いません。神さま、どうしたら、私ども二人は、安全にゆくすえ長く添いとげられますか、あなたのお力で、おすくいくださいまし。」と、しばらく、頭を地にすりつけていたのでした。

やがて、秋の取り入れがすむと、村の祝い祭りが、社の境内で、もよおされました。彼女はこの日、七人の男たちから受けた七面の鏡を、ひもでとおして、首にかけておどるのでした。神のお告げをまって、どの一人にか、きめなければなりません。

くわしいわけを知った身寄りのものたちは、なにか、かわったことが起こらなければいいがと、しんぱいしました。ちょうど、社の上の空には、入り日をあびて、雲の色がまっかに見えました。