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おじさんのはなし
おじさんの話
小山 清
「新潮 第五十巻七号」新潮社、1953(昭和28)年7月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,232 字 · 42 页
私がおじさんと話している間にも、おじさんから外食券と煙草を分けてもらう者が何人かいた。
それからまた、私はとき折りおじさんに逢いに行った。晩飯時にその食堂へ行けば、おじさんに逢うことが出来た。時間が少し早いときはおじさんの同居先を尋ねて、連れ立って食堂へ行った。おじさんを同居させている大工さんというのが、他人の家に同居している境遇で、つまりおじさんは大工さんが借りている六畳間にいっしょにいるのであった。大工さんは妻子のある人だから、大工さんもよくおじさんを置いているわけであった。おじさんは大工さんに同居代を一ヶ月百円はらっているそうである。おじさんは朝五時頃に起きて、大工さんの家族がまだ寝ているうちに家を出て、すぐ食堂へ行く。そして朝飯を食い、傍ら商売もして、それから省線を利用して蠣殻町へ出かけて行く。そこで例の事をやったり、またさる伝手から商売の外食券を仕入れたりする。おじさんは道を歩きながらも、しょっちゅう落ちている煙草の吸いさしに注意して、携帯している頭陀袋の中に拾い込む。一日でかなりの収穫がある。三時頃家に帰ってきて、拾い集めてきた吸いさしを材料にして、巻煙草の製造をする。