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かくれんぼ

かくれんぼ

斎藤 緑雨

「かくれんぼ」春陽堂、1891(明治24)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,434 字 · 17 页

青空文庫

経綸と申すが多寡が糸扁いずれ天下は綱渡りのことまるまる遊んだところが杖突いて百年と昼も夜ものアジをやり甘い辛いがだんだん分ればおのずから灰汁もぬけ恋は側次第と目端が利き、軽い間に締りが附けば男振りも一段あがりて村様村様と楽な座敷をいとしがられしが八幡鐘を現今のように合乗り膝枕を色よしとする通町辺の若旦那に真似のならぬ寛濶と極随俊雄へ打ち込んだは歳二ツ上の冬吉なりおよそここらの恋と言うは親密が過ぎてはいっそ調わぬが例なれど舟を橋際に着けた梅見帰りひょんなことから俊雄冬吉は離れられぬ縁の糸巻き来るは呼ぶはの逢瀬繁く姉じゃ弟じゃの戯ぶれが、異なものと土地に名を唄われわれより男は年下なれば色にはままになるが冬吉は面白く今夜はわたしが奢りますると銭金を帳面のほかなる隠れ遊び、出が道明ゆえ厭かは知らねど類のないのを着て下されとの心中立てこの冬吉に似た冬吉がよそにも出来まいものでもないと新道一面に気を廻し二日三日と音信の絶えてない折々は河岸の内儀へお頼みでござりますと月始めに魚一尾がそれとなく報酬の花鳥使まいらせ候の韻を蹈んできっときっとの呼出状今方貸小袖を温習かけた