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こういうげっぴょうがほしい
こういう月評が欲しい
宮本 百合子
「帝国大学新聞」1931(昭和6)年7月6日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,785 字 · 4 页
さて、そういう親切な批評を書こうとするとまず、ある一つの作品の背景にある階級をひろく把握し、作品との関係を明かにして読者の眼前に展望させねばならない。
作品が芸術品として成功していれば、それはどういうところで成功しているか。成功といってもどういう種類とどういう階級の標準によるものか。不成功とすれば局部的のものか、あるいは根本的のものか。なぜ失敗したか。
失敗した作品でも見殺しにしてはいけない、いい芽をもっていることもある。そのものとして成功していても、未来の文化のために寄与する価値をもたないものもある。
それらを、ごく具体的に、一般的に、実際生活と結びつけた見通しをもって話さなければならないのだ。
書きかたも研究がいる。その文芸批評を読むと、もうそれだけで何か活々した熱と力と、広闊な新社会文化への輝きと期待とを感じるようなものがいるのである。
プロレタリアの陣営からの批評は、階級的陣営が違うと、もういうことはきまっていると思わせる狭いところがあった。ある時は高飛車なところもある。
ボルシェビキ的批評というものは、本質においてそうではない。
どっちの陣営の作品でも、それをひろい客観的条件の前にはっきり浮き上らせて、見なおさせ、比べ、それが評価されるべき評価をうけていることを、静かにつよく感銘させるのが、