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こういうげっぴょうがほしい
こういう月評が欲しい
宮本 百合子
「帝国大学新聞」1931(昭和6)年7月6日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,785 字 · 4 页
毎月いくつかのプロレタリア小説、ブルジョア小説が、いろいろな雑誌に発表される。
つづいて、新聞その他に文芸批評が現れる。この頃のブルジョア・ジャーナリズムは、例えば『朝日新聞』が今度やっていたように、文学についての専門家以外の人に、作品批評を書かせ、顔ぶれの珍しさで、新鮮さを発揮しようとしている。
河野密氏の例によれば、人選はある程度まで当ったろう。とにかく読者は、オヤ、この人がこんなことをやるのか、と思った。そこで、ジャーナリズムの目的は達せられたので、岩藤雪夫の小説「鍛冶場」が、どんなひどい階級的裏切りを示しているか、ダラ幹小説であるかを、細かく批判しないでも一応適用したらしい形である。
大体いって、いわゆる専門外の人の作品批評はナカナカ面白いし、参考にもなる。作品批評をする時、はっきりその人の階級性がわかる。それだけでもためになるのである。
ところで、文学的月評は、書く顔ぶれをかえることだけで、ホントに生気ある文化的価値をふき込まれるだろうか?
思うに、それは姑息である。
行きつまったブルジョア文壇の生産力を、新しいプロレタリア文学の作品が圧倒しつつある。