轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さかずきのりんね
さかずきの輪廻
小川 未明
「婦人公論 9巻1号」1924(大正13)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,603 字 · 21 页
」
「そのとおりだ。」
陶器の愛好家によって、こんな話がかわされたのは、すでに、利助が死んでから、百年近くたってから後のことであった。
ここに、一人の陶器の好きな男がありました。ちょうど江戸末期のころで、ある日、日本橋辺を歩いていまして、ふとかたわらにあった骨董店に立ち寄って、いろいろなものを見ているうちに、台の上に置いてあったさかずきに目がとまりました。
男は、それを手に取ってみますと、思いがけない、利助の作ったさかずきでした。しかも無傷で藍の色もよく、また描いてある絵の趣も申し分のないものでありました。
「ほう、めずらしいさかずきだな。」
と、彼は、心で思いました。
さだめし高価のものであろうと思いながら聞いてみますと、はたして相当な値でした。しかし、ほしいと思ったものは、無理をしても手にいれなければ、気のすまないのが、こうした好事家の常であります。男は、それを求めて、家に帰りました。
彼は、どんなに、その一つのさかずきを手に入れたことを、うれしく思ったでしょう。
「どうして、このうすいさかずきが、こわれずに、今日まで残っていてくれたろう。そして、ほかの人の目にとまらずに、俺の目にとまってくれたろう? 不思議にも、また、ありがたいことだ。