轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

それから

それから

夏目 漱石

代助醒来时,脑海里悬着一块木板,随脚步声消失。他总在半夜按着胸口数心跳,思考这跳动的生命到底意味着什么。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 页

青空文庫

その時三千代は眼の中に涙を溜めていた。

三千代の父はかつて多少の財産と称えらるべき田畠の所有者であった。日露戦争の当時、人の勧に応じて、株に手を出して全く遣り損なってから、潔よく祖先の地を売り払って、北海道へ渡ったのである。その後の消息は、代助も今この手紙を見せられるまで一向知らなかった。親類はあれども無きが如しだとは三千代の兄が生きている時分よく代助に語った言葉であった。果して三千代は、父と平岡ばかりを便に生きていた。

「貴方は羨ましいのね」と瞬きながら云った。代助はそれを否定する勇気に乏しかった。しばらくしてから又、

「何だって、まだ奥さんを御貰いなさらないの」と聞いた。代助はこの問にも答える事が出来なかった。

しばらく黙然として三千代の顔を見ているうちに、女の頬から血の色が次第に退ぞいて行って、普通よりは眼に付く程蒼白くなった。その時代助は三千代と差向で、より長く坐っている事の危険に、始めて気が付いた。自然の情合から流れる相互の言葉が、無意識のうちに彼等を駆って、準縄の埒を踏み超えさせるのは、今二三分の裡にあった。代助は固よりそれより先へ進んでも、猶素知らぬ顔で引返し得る、会話の方を心得ていた。