轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なよたけ
なよたけ
加藤 道夫
「三田文学 四・五月号、六月号、七・八月号、九月号、十・十一月号」1946(昭和21)年5月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 81,415 字 · 163 页
今しがた、雲が晴れたばかりの所なのだ。見ろ! 今日の不尽は、まるで後光がさしているような神々しさだぞ!
間――
文麻呂 (不尽を凝視めながら、静かに)……僕が夢に画いていた通りでした。長いこと夢に画いていた通りでした。……お父さん、僕はたった今「物語」をひとつ書き上げて来たんです。それはまだ見ぬ不尽の煙が天雲の彼方へたちのぼる場面で終ったのです。……不尽は、今朝からもう僕の頭の中にはっきりこの通りの姿で浮び上っていました。この通りの姿で僕の中に生き始めていました。……(瞳を輝かして)……この通りでした。
衛門 文麻呂様!……貴方は今日はまるで人が変ったように晴々とした顔付をなすっていらっしゃいます。
文麻呂 衛門、……それはきっと僕の心の隅々まですっかり晴れ渡った証拠なのだよ。……僕がまた新しい僕自身を取戻した証拠なのだよ。……僕はこの日のためにすべてに耐えて来た。とうとう恵まれた日がやって来たのだよ。新しい僕のいのちが蘇って来たのだよ。
綾麻呂 文麻呂!……お前、ちょっと、ここへ上って来んかな?……お父さんは今日はお前としばらく話がしたいんじゃ。
文麻呂 ええ。