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まほうやしき
まほうやしき
江戸川 乱歩
「たのしい三年生」講談社、1957(昭和32)年1月号~3月号
N4 · 入门 · 新字新假名 · 5,541 字 · 11 页
なん百、なん千という自分が、上・下・四方からうじゃうじゃとかたまって、自分をにらみつけているのです。
そのほか、まだいくつもふしぎなおそろしいものを見せられましたが、そのあとで、せいようあくまにつれられて二かいのろうかを歩いていますと、とつぜん、どこからか、みょうなわらい声がきこえてきました。せいようあくまは、びっくりしたようにたちどまって、しばらく考えていましたが……。
あるへやへそっと近づいて、そのドアをぱっと開きました。するとそこに、思いもよらぬひとりのしょうねんがたっていたのです。
「あっ、きさま。しょうねんたんていだんちょうの小林だなっ」
せいようあくまが、ぎょっとしたようにさけびました。
「そのとおり、ぼくは小林だよ。
井上くんとノロちゃんが、てちょうの紙に手紙を書いて、B・Dバッジを重しにしてまどから投げたのを、きんじょの子どもがひろって、ぼくにとどけてくれたんだ。それでぼくは、さっきから、このまほうやしきにしのびこんでいたんだよ。さすがのまほうはかせも、ゆだんをしたものだね」
「えっ、まほうはかせだって」
「そうさ。きみは、そんなせいようあくまにばけているけれども、ちゃんとわかっている。