轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
アド・バルーン
アド・バルーン
織田 作之助
「新文学」1946(昭和21)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,390 字 · 53 页
だから、私には継子だとか継母だとか、えらい目だとか、はじめは意味のわからなかった言葉がいつか耳にこびりついてしまった。
すると、私の顔はだんだんにいまに苛められるだろうという継子の顔じみてきて、その顔を浜子に向けると、この若い継母はかなり継母じみてくるのでした。浜子は私めずらしさにももうそろそろ飽きてきた時だったのでしょう。夜、父が寄席へ出かけた留守中、浜子は新次からお午や榎の夜店見物をせがまれると、留守番がないからと言ってちらりと私の顔を見る。そんな時、わい夜店は眠うなるさかい嫌やと、心にもないことを言うのはむろん私でした。一つには昼間おきみ婆さんに貰った飴をこっそり一人内緒で食べたいのです。一人内緒という言葉を教えてくれたのもおきみ婆さんでした。浜子は近ごろ父との夫婦仲が思わしくないためかだんだん険の出てきた声で、――何や、けったいな子やなア。ほな、十吉はうちで留守番してなはれ。昼間、私が新次を表へ連れだして遊んでいると、近所の人々には、私がむりやり子守をさせられているとしか見えなかった。それほどしょんぼりした顔をしていたのです。浜子は新次が泣けば、かならずそれを私のせいにしました。