轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
「キング」1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,079 字 · 202 页
「彼方でお感じになったことでも宜しゅうございます」
「さあ。別にこれってこともないな」
と社長は考え込んだまゝ、もう口をきかない。松本さんは仕事があるから、
「失礼致します」
と断って、机へ戻った。私は社長が動くまで動けない。
「君も宜しい。御苦労だった」
と社長から許可の出るまで少時ボンヤリしていた。立ち廻りにナカ/\気を使う。
間もなくお昼だった。食堂は六階にある。松本さんを誘ってエレベーターへ入ったら、社長と重役の末次さんが一緒だった。二人も出会い頭だったと見えて、末次さんは社長に、
「時に今日はアメリカの美人連中が押し寄せたそうですな」
と話しかけた。
「うむ。朝の中を潰してしまったよ」
「私は知らないでいて惜しいことをしました」
「しかしアメリカ美人は禁物だ」
「何故でございますか?」
「威張って仕方がない。何んな美人でも、アメリカと聞いたら、我輩は逃げ出す。斯うやってエレベーターに同乗しても、男子は脱帽していなければならないんだからね」
「お安い御用じゃありませんか?」
「エレベーターで思い出したが、熊野君」
と社長が私を呼んだ時、私達はもう六階に上っていた。