轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
「キング」1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,079 字 · 202 页
「さあ」
「何とかいう雑誌へ出して懸賞を取ったってじゃないか?」
「あれは記者をしていた頃の友人がやっているんで、つい勧められたんです」
「何を書いたね?」
「探偵物です」
「ふうむ」
「しかし会社で書いたんじゃありません」
と私は弁解を始めた。
「無論家でやるんだろうけれど、あれは時間のかゝるものかね?」
「はあ」
「会社でやるとしたら、一日に何枚書けるだろう?」
「事務と違いますから、会社では書きません」
「しかし仮りに書くとしたら?」
「仮りにも書きません」
「君、心配は要らないよ」
「はあ」
「他の人は何と言うか知らないが、僕は会社の宣伝部に君のような文士がいるのを結構だと思っている」
「何うぞ宜しく」
「仮りに家で書くとしたら……」
「本当に家で書いているんです」
「それじゃ家では一晩に何枚出来るね?」
「五六枚でしょう」
「案外捗の行かないものだね。五枚というと、月に百五十枚」
と中島さんは考え込んだ。
「…………」
「探偵小説と立志伝は書き方が違うだろうね?」
「さあ」
「君はもっと堅いことは出来ないのか?」
「はあ?」
「例えば青年訓とか成功要訣とかいったようなものさ」
「記者時代には可なり書きました」