轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
キドこうか
キド効果
海野 十三
「新青年」1933(昭和8)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,298 字 · 25 页
2
「実に明瞭じゃろうが……」
と木戸博士は、お独りで感に堪えながって居られた。
「はア、はア――」
(で、これは早く三曲線の意味を呑みこまないと、先生に対して申訳ない――申訳ないらしい)と丘助手は一生懸命に理解しようと、三曲線をその網膜に送りこんでいる。(容疑者の烏山と磯谷と犬塚――すると、これは三人の容疑者に関するものらしい。三人の容疑者と……ハテナ……)
「ウン」と思わず口走って、
(そうだ。あの事件の容疑者のことかも知れないぞ)と彼は、ようやくのことで思いだした。
あの事件――とは?
それについて筆者は、次に短い紹介をして置きたいと思う。
2
満洲の、ずっと北の方の話である。
地図を開いてごらんになると判るが、東支鉄道が黒竜江省を横断している。
なおよく御覧になると、この東支鉄道は大興安嶺をプツリと横断しているのだ。場所は博克図駅と興安駅との間に於てである。そしてもっと詳しく云うと、この両駅の中間に「興安嶺隧道」と名付けられた長さ三キロメートルつまり三十町ちかくもある大トンネルがあって、これが興安嶺をプツリと横断しているのだ。あの事件というのは、実にこの隧道内に於て起ったものなのである。