轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
シナーニしょてんのベンチ
シナーニ書店のベンチ
宮本 百合子
「文芸春秋」1928(昭和3)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,387 字 · 15 页
私はまだクニッペルを見ない。彼女は昨今主としてチェホフの短篇の朗読者としてモスクワに暮している。彼女はピリニャークの家で酔って噪いだ。日本の作家がそれを見て幻滅した。然し私は知らない。自分で見ないうちは知らない。彼女がどんな彼女であるか。チェホフは人間の見えない三文文士ではなかった。
私を忘れないでお呉れ、もっと度々私に手紙をおくれ。私のことを思ってお呉れ。どんなことが起ろうとも、たとえお前が不意にお婆さんに変ろうとも、私は矢張りお前を愛すであろう。――お前のたましいと性質のために。――私の仔犬よ! 健康を大切におし。病気になったら――そんなことの無いように――すべてを打っちゃってヤルタへおいで、私はここでお前の看護をする。疲れないでお呉れ、子供よ。
恐らく一九二八年は、クニッペルの上に重いであろう。ヤルタは彼女の手にある合わせ鏡の裡に遺る名だ。人生は絶えず前方へ! すべてに拘らず、前方へ!〔一九二八年六月〕