轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ズラかったしんきち

ズラかった信吉

宮本 百合子

「改造」1931(昭和6)年7~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,656 字 · 110 页

青空文庫

信吉はムッツリして働き出した。

暫くすると、

「気にするこたねえ」

グルズスキーが顔は仕事台へ正面向けたまんま小声で慰めるように云った。

「食堂にかかってる表へみんなが好きで名を書きこんだか?――決してそうじゃねえ。スターリンは、公債を買う買わないは自由意志だって新聞で云ってるが、工場委員会の連中が、見張ってやがるんだ。……それにこの工場じゃ、もう一まわりすんでるんだ」

コソコソ声で、グルズスキーがそんなこと云うんで信吉はなお気が腐った。

ボーが鳴った。

工場へ入って初めていやにはずまない気分で信吉が仕事場を出かけたらオーリャが、

「ちょいと! シンキーチ!」

後からおっかけて来た。工場学校をすまして信吉と前後して職場へ入って来たばかりの婦人旋盤工だ。

「見たよ」

人さし指を立てて信吉を脅かすようなふりをしながら、ハハハと笑った。

「…………」

苦笑いして信吉はそっぽ向いた。

「お前、クラブへ行った?」

「いいや」

「じゃ来ない? いいもん見せてやるわ」

木工部の横をぬけ、トロの線路を越して、花壇の方からクラブへ入ってった。

昼休みは、若い連中で賑やかだ。

運動部の室からフットボールを抱えて出て行く。