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ソヴェトのしばい
ソヴェトの芝居
宮本 百合子
「改造」1931(昭和6)年3、4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,289 字 · 53 页
劇場労働の種類が三つに分類されている。働くものの資格が十級あって、やる労働の種類の基本賃銀に資格を示すパーセントをかけたものだけ貰うんだ。
職業組合に加盟しているから、不熟練労働者で五十ルーブリ位もらってるものでも、失業保険その他で保護されている。「休みの家」の利用も出来る。若し有料診療を受けなけりゃならない場合は半額だ。おまけに、ソヴェトでは家賃というものが、月給に応じた割合で払えばいいことになっているんだからな。
――そうかい! そりゃききものだ。どの産業の労働者も、家賃なんか、そういうやりかたで払ってるのか?
――見ろよ! お前だってムキになって来ただろう。
――ふーむ。
――お前みたいなピーピー銀行員なんか勿論そうだよ。
――ふーむ。……
――ひどく、うなるじゃないか。この例一つで、おれが社会主義の宣伝をしているんでないってことは、はっきりしたさ。社会主義の現実がみんなにおしえるんだ。資本主義とどうちがうかってことを。――
――こうなっちゃ、いよいよきかずにすまされないよ。ところでね、そういう劇場だって、運転資金となる利益は矢張り切符のうりあげだろう?