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ソヴェトのしばい
ソヴェトの芝居
宮本 百合子
「改造」1931(昭和6)年3、4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,289 字 · 53 页
――劇場によるな。いつか統計が出ていたが、МОСПС《エムオーエスペーエス》劇場の見物なんか、九十八パーセントまで勤労者だ。女優がパリの流行雑誌まるうつしの扮装でマネキンみたいに舞台をのたつく悪習をもつと云われている諷刺劇場なんか六十パーセントだ。
ソヴェトの劇場は、今までいつも一つ大きな困難をもって来た。劇場建築が旧式で小さいということだ。昔はそれでもよかっただろう。金のある者だけ見たんだからね。現在じゃこまる。出来るだけ大勢の労働者に芸術をわかち、出来るだけ一枚ずつの切符の値段は下げなければならない。劇場の建物がこの目的とは逆につくられている。五ヵ年計画の中に、大劇場建築計画のあるのは当然なんだ。
――どの位するかい? 切符は。――
――場所によるが、五十カペイキから六、七ルーブリだ。
――間に段々があるんだろうが、高いな。
――高い。ソヴェトも断然それは認めている。だから、これまでだってやすくすることに一生懸命んなって来た。舞台装置に金をかけるな。無駄に手をふやすなって、メイエルホリドは、知ってる通りの凝りようだから。どうしても舞台装置に金をかける。