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ソヴェトぶんだんのげんじょう
ソヴェト文壇の現状
宮本 百合子
「綜合プロレタリア芸術講座 第一巻」内外社、1931(昭和6)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,896 字 · 58 页
社会主義の勝利へ!
黒地に赤糸で縫いをしたルバーシカを着た快活な青年が、親切にだが到っててきぱき応待してくれる。事務員ではない。彼は作家だ。この表にも名の出ているチュルキンだ。――若いソヴェトのプロレタリア作家たちは、見かけからして、ブルジョア作家の病的な特性をすてきっているのだ。
社会主義の勝利へ!
第十六回党大会は終った。五ヵ年計画第三年目の新経済年度が近づいた。ソヴェトのプロレタリア作家団体と一般労働大衆との間には、これまでにない親和感が生じ、一層精力的な交渉が開始された。
党大会で、「ラップ」からの代表の一人ベズィメンスキーは、長い詩の形で行った報告の中で読んだ。
我々は持っていない
卓越したプランを
ウン。別なプランは
無いんだ。
つまり、ソヴェト五ヵ年計画の生産経済計画が「ラップ」の作家にとっても最も基本的な階級的プランだというわけだ。
「ラップ」は、文学におけるこの生産経済計画の扱いかたを自己批判し、三〇年の秋から、労働者クラブの文学研究会指導方針を、すっかりかえた。これまで、文学研究会は、狭い、幼稚な文学趣味に毒されていた。工場で生産に従事している若い労働者が、七時間労働を終って研究会の椅子へ坐ると、彼の頭からは職場も生産経済計画の数字もけし飛ぶ。