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ソヴェトぶんだんのげんじょう

ソヴェト文壇の現状

宮本 百合子

「綜合プロレタリア芸術講座 第一巻」内外社、1931(昭和6)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,896 字 · 58 页

青空文庫

(3) ――厳密な自己批判――

小市民インテリゲンツィア出身の作家連が、右にそれ、或は反動化するのはソヴェトの現実に反革命運動が存在する客観的条件がある以上やむを得ぬ事実として見よという、主体性のない日和見主義的プロレタリア文学論をでっち上げる結果になってしまう。

現代ソヴェト文学の各方面に活動しつつある理論家としてのペレウェルゼフと、「ラップ」は熱心な理論闘争をやった。「ラップ」ばかりではない。コムアカデミー内の文学言語部で一九二九年の冬から三〇年の一月にかけて、ペレウェルゼフの文学理論に対する討議が行われた。『文学新聞』『印刷と革命』『文学前哨』などの紙面はプロレタリア文学を前進させるための理論闘争のため澄んだ叫び或は濁った響で鳴り轟いた。

ところで、最も注目すべきことは、このマルクシズム同盟員たちの文学理論への批判が高まると同時に負けず劣らず旺盛な自己批判が、「ラップ」陣営内に開始されたことだ。

(3) ――厳密な自己批判――

一九三〇年、二月、マップ(モスクワ・プロレタリア作家同盟。ラップの地方組織)大会が開かれた。

これはソヴェトのプロレタリア文学運動にとって記念すべき大会の一つだった。