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ヤミろんご

ヤミ論語

坂口 安吾

「世界日報 第五五二号~第六九二号」1948(昭和23)年2月23日~7月12日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,308 字 · 36 页

青空文庫

昔ながらのものである。こういう応援団が学生らしい学生で、応援団長とか幹事とかが特に健全なる学生なのかも知れないが、自治運動の親分がこの種の連中だとすると、私は素行よからぬ学生に同情したくなるのである。

だいたい応援団の雰囲気というものは、教練よりも、もっと好戦的なものである。スポーツそれ自体の性格とは違っている。スポーツは喧嘩と違って、文化的なものであり、勝負はあっても、理知も節制もある娯楽であるが、応援団は喧嘩に属する性格である。ユーモアを解する精神もなければ、プレーをたのしむ精神もなく、好戦的な熱狂だけが全部である。この種の愛校心と、ファッショや右翼団体的な愛国心とは同じ偏したものだ。批判精神などミジンもない。

私は強いて悪童に味方をしたくはないのであるが、こういう応援団の秩序の中へ参加して、キチガイめいて白雲なびくなどと声をからしている連中にくらべると、こんな仲間に加わらずに、ダンスホールへもぐりこんでいる悪童の方が、まだしも人間らしく見えるのである。

悪童の性格には、ともかく個性とか個の自覚とか多少の自主性も見られるけれども、応援団の性格には、ファッショ時代には急進的ファッショとなって声をからし、民主時代には、とたんに民主人民となって片棒かつぐ時流のまにまに批判も反省もないデクノボーの性格しか感じ