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さんじゅうろくねんまえ
三十六年前
森下 雨村
「別冊宝石 四十二号」岩谷書店、1954(昭和29)年11月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,864 字 · 6 页
の発展に寄与するところ多かったことは、今更書き記すまでもあるまい。
一度、西下の途中、名古屋に小酒井君を訪ねて半日を過した時、なにかのはずみでお互いの年を名乗りあった。すると、ぼくと同年小酒井君は十月生れ、ぼくは二月生れで、ぼくのほうがそれだけ兄貴だと笑ったことがある。すると今年還暦の江戸川君は両人よりも三つほどの弟分である。それはとにかく、その小酒井君は昭和四年の四月、急性肺炎で忽然として逝った。いま、もし生きていたら、メインテーブル、江戸川君の正面に立って、心からの祝杯をあげたであろうにと思うことである。
書きたいことは、いろいろあるが、颱風騒ぎで、屋根や塀は吹っとばされ、後始末に追われ、机にじっくり向う気持になれません。尻切れとんぼの感じです。お間にあえば幸甚。
『別冊宝石』(四十二号)昭和二十九年十一月