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さんじゅうねんごのせかい

三十年後の世界

海野 十三

「少年読売」1948(昭和23)年3~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 页

青空文庫

間もなく、異様な一団の全部が、みんな自分のからだを気味わるく光斑で明滅させるようになった。

すると最初にからだを光らせた者が、急に光の明滅をとめた。そのかわり彼の首の下のところに、光の輪が出来た。それはもう明滅しない。彼は峰を越して、そろそろと下りはじめた。他の異人たちも、いつしか同じように、首の下だけに光の輪をこしらえ、頭目らしい者のあとについて斜面を下っていった。彼らの動作は、いかついからだのわりに身がるに見えた。

一方、マルモ探検隊の方は、急に日が暮れたものだから、一同はそれぞれ空気兜のひたいのところにつけてある電燈をつけた。これがつくと、すぐ正面にあるものには光があたって、明るく見える。

それから、九台の装甲車のヘッドライトを全部つけて、ルナビゥムの野天掘りの坑区を照らさせた。そして仕事をすすめたのであった。そこへとつぜん、どどどどとすごい地ひびきをさせてあらわれた異人の群だ。口もきかずに探検隊員めがけて組みついた。

「あッ何者だ」

「なにをするッ。あ、隊長。あやしい奴です」

「らんぼうするな、しかたがない。隊員はこっちへ固まれ。そしてらんぼうする相手に反抗しろ」