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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

三四郎在火车上遇见一位肤色黝黑的女子,不由自主想起故乡的恋人。他假装睡着偷听她和邻座老人聊天,越听越放不下。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 页

青空文庫

「きのう私を捜しておいでだったそうですが、何か御用ですか」と聞いた。すると野々宮君は、少し気の毒そうな顔をして、

「なにじつはなんでもないですよ」と言った。三四郎はただ「はあ」と言った。

「それでわざわざ来てくれたんですか」

「なに、そういうわけでもありません」

「じつはお国のおっかさんがね、せがれがいろいろお世話になるからと言って、結構なものを送ってくださったから、ちょっとあなたにもお礼を言おうと思って……」

「はあ、そうですか。何か送ってきましたか」

「ええ赤い魚の粕漬なんですがね」

「じゃひめいちでしょう」

三四郎はつまらんものを送ったものだと思った。しかし野々宮君はかのひめいちについていろいろな事を質問した。三四郎は特に食う時の心得を説明した。粕ごと焼いて、いざ皿へうつすという時に、粕を取らないと味が抜けると言って教えてやった。

二人がひめいちについて問答をしているうちに、日が暮れた。三四郎はもう帰ろうと思って挨拶をしかけるところへ、どこからか電報が来た。野々宮君は封を切って、電報を読んだが、口のうちで、「困ったな」と言った。

三四郎はすましているわけにもゆかず、といってむやみに立ち入った事を聞く気にもならなかったので、ただ、