轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さんがつのだいよんにちよう
三月の第四日曜
宮本 百合子
「日本評論」1940(昭和15)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,826 字 · 42 页
よくニュース映画に思いがけなく出征している息子や兄の顔が映っていて、大よろこびした話を、サイは思い出した。この子の親がもしこの新聞を田舎で見たら、どんな気がしただろう。
「ああ、ほんとに写真とろう」
サイは思わず溜息をつくように云った。
「弟がこんど日本橋の方へ来たのよ」
ここで育って、ここで勤めているてる子にその気持は通ぜず、悪気もないとおり一遍の表情で、
「いいわね、淋しくなくって」
あとは「愛染かつら」の主題歌を鼻でうたいながら、円椅子を片づけはじめた。
三週間近くなるのに勇吉はまだ手紙をよこさない。ここでは、なかの仕事のことをひとに話すことを堅くとめられていて、親兄弟でも同じことと云いわたされている。自分の方から弟との間におかなければならない距てがあるようで、サイは何のための何なのかも一向知らず、ただ薄い白い紙の上に朝から晩まで引いている墨汁の線へ、訴えのこもった娘らしい視線を落した。
三
夜勤で、かえったのは朝七時半ごろだったが、夕方四時には、また出かける仕度をしなければならない。五時から夜中の十二時迄で、次の日は定時で一日という順になっている。