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「したじき」のもんだい

「下じき」の問題

宮本 百合子

こんにちの文学への疑い

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,838 字 · 20 页

青空文庫

いわば、日本のはだしの足の、指ではがれている生爪を見ることを顰蹙するかたぎをもっている。このことは、それらの人々の文学の言葉では、リアリズムへのぬきがたい疑いとして語られつつある。

これらの複雑な精神の状態から、批評の無力は、ひきおこされた。したがって、先ごろ、文学の外にいると考えられている人々の間から、文芸評論に類似する発言が迎えられた現象もおこした。また、同じフランス文学によっているきょうの同時代の人々の間でも、時代性ぬきのフランス派――それは、ヒューマニズムの世界史に立つ展開とその具体的な内容について、さしたる重要性を見ようとしない立場の人々と、第二次大戦を通じてフランス人民の生活と文学とが変化した事実をはっきり把握している人々の間には、いちじるしい精神と気風との隔絶がある。後者は、こんにち日本の銀座にジュリアン・ソレルという服飾店などがあることを、アルジェリア女の口からきくパリまがいのフランス語とひとしく、その人々のためにまたフランスの良心のために汗ばむ思いで見ているわけである。

民主主義文学の批評の能力が弱いということから、一九四八、九年に批評の無力が云われはじめた。