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せかいへいわのすうせい
世界平和の趨勢
大隈 重信
「太陽 臨時増刊 第十七卷第十五號 戰爭歟平和歟」博文館、1911(明治44)年11月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,746 字 · 14 页
露西亜の恐るるところはむしろ我が国が再び戦争を開始することである。彼より戦いを挑むことは断じてない。
あるいはまた清国の陸軍に対するために大陸軍の必要ありとするものあるも、それまた不通の論であることは、今回の革命戦これを証してあまりある。たとい清国にして如何に大兵を養うも、これを働かすだけの国力――財力――のないことは、明白なる事実であるから毫も恐るるに足らぬ。
既に露西亜が復讐戦をしかける虞もなく、清国の陸軍また恐るるに足らずとすれば、我が国が十九個師団、戦時兵員二百万に近き大陸軍を擁している必要は何処にあるか。この大陸軍――露清を脅威するより外必要なき大陸軍――を有していることは却って列国、ことに露清をして我が国を猜疑せしむるの種となり、外交上尠なからぬ妨げをなすものである。即ち国交の妨げとはなるも、益をなさぬものである。
あるいはまた陸軍側の論者は清国の大動乱の時、列国と対峙して勢力を張るがため、我は満州直隷、福建等に大兵を駐屯せしむる必要があるというそうであるが、そんなことをしては大変である。列国をして清国に大兵を派遣し、各々その勢力範囲を占領するが如きこと、即ち支那分割のこと無からしめんがために、日英同盟なるものがあるのである。