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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第八巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:『ケプロン・黒田の構想』について、桂浜、北国の春、金鱗湖、高度八十マイル、写真と暮らした三十年、寅彦の遺跡、南極・北極・熱帯の雪、百科事典美談、北海道開発に消えた八百億円、母性愛の蟹、娘の結婚、雪の化石2、六三制を活かす道、ピーター・パン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 页
また日本の国情に合わないとしたら、どういう点が合わないか、というようなことが、問題となるべきである。
最初に採り上ぐべき点は、六三制そのものの良否である。これについては、現在の六三制の本家であるアメリカにおいて、この教育制度が巧く行っているか否かを考察してみるのが、一つの方法である。結論を先にいえば、私の見るところでは、六三制は、アメリカでは、かなり巧く運営されていて、立派に教育効果をあげているようである。それが日本で巧く行かないのは、六三制の制度だけを輸入して、その内容をとり入れなかったからではないかと思われる。
こういう結論に達したのは、一昨々年の夏、子供たち三人を連れてアメリカへ行き、それぞれちがった学校に入れて、二年間通学させてみた体験に基づくものである。三人とも転入学させて貰ったのであるが、一人は大学の二年、一人は高等学校の四年、末の子は小学校の三年に、それぞれはいったわけである。ついでに片付けておくが、アメリカでは、六三制は州によって、少しちがっていて、私たちの住んでいたイリノイ州では、中学が二年制、高校が四年制になっていた。すなわち六二四四制であったが、これも骨組からいえば、六三制である。