轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふたつのいえをつなぐかいそう
二つの家を繋ぐ回想
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,480 字 · 37 页
静に一つ一つ、間を置いては突き鳴らす音が、微に、ストーブの燃える音、笑い声を縫って通って来るのである。
皆、他の人は心付かないように見えた。けれども、自分は、手に賑やかな骨牌を持ち、顔は明るく笑い乍ら、何とも云われない魂の寂寥を覚えた。
去年の大晦日は林町で二三時頃まで過し、雪の凍ってつるつるする街路を、Aと小林さんと三人で、頼まれたペパアミントを探し乍ら、肴町を歩いたのを思い出す。彼方では何をして居るだろう。恐らく、あまり陽気ではない心持がする。両親は、スエ子を連れて、二十九日頃から、浜名湖に行くと云って居られた。家には祖母、弟達、働いて居る者きりだろう。自分にとって始めてであると同じ淋しい大晦日が、彼等にも来たと思われる。――
二日の日、私共は二人で林町へ行き祖母に年始の挨拶をした。
Aが発議をし、折角の心持にけちをつけるのを思ってやめたのだが、自分には一寸いやな心持がした。仮令父母は居ないでも、彼等の家であることに変りはない。その家へ来るなと云われたのに、留守の間に、祖母の為とは云え、入るのは、何処となく純粋でない。女々しさが感じられたのである。