轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

「中央公論」1947(昭和22)年1、3~9月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,492 字 · 389 页

青空文庫

ステッキを持っているのが、

「まアそう怒り給うな」

と、すこし笑うような口元になった。しばらくどっちからも口をきかず、互いを眺めあった。しみじみと眺めているうちに、このぼうぼう頭をしながらルバーシカを着るような趣味をもっている若い人々が、本当に何か一貫した主義をもってこうして生きているのだと伸子にはだんだん思えないようになって来た。少くとも今伸子の前に並んでいる三つの若い顔のどれにも、苦悩の刻みめは大して刻みこまれていないように見えた。その顔々の上には、そういう風に毎日を生きている生活の習慣があらわれており、その習慣で身についたかまえがあるけれども、世間は紙くずが街頭をころがってゆくのを見るようにこの人々の生活を見ていて、うるさいときには少しの金をやって、追っぱらって来ているように思えた。そして、そういう関係もこの人々にとっては習慣のようになっているように思えるのであった。伸子はそこに社会の真の酷薄さを感じた。亢奮がしずまって、伸子は少しユーモラスに、

「どうも、あなたがたは、見当ちがいのところへいらしたようね」

といった。

「自分で書いて暮しているんだから、お金なんてないのよ。