轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
いや、そうではない。大きな関心をよせてほめたたえ、そこへつづくことを名誉とせねばならないのだ。なんのために竹一は勉強し、だれのために磯吉は商人になろうとしているのか。子どものころ下士官を志望した正は、軍艦と墓場をむすびつけて考えているだろうか。にこやかな表情の裏がわを見せてはならぬ心ゆるせぬ時世を、仁太ばかりはのんきそうに大声をあげていたが、仁太だとて、その心の奥に何もないとはいえない。
あんな小さな岬の村から出た今年徴兵適齢の五人の男の子、おそらくみんな兵隊となってどこかの果てへやられることだけはまちがいないのだ。無事帰ってくるものは幾人あるだろう。――もう一人人的資源をつくってこい……そういって一週間の休暇を出す軍隊というところ。生まされる女も、子どもの将来が、たとえ白木の墓標につづこうとも、あんじてはならないのだ。男も女もナムアミダブツで暮せということだろうか。どうしてものがれることのできない男のたどる道。そして女はどうなるのか。あの組の七人の女の子の中で、ミサ子ひとりは苦労をしていなかった。ミドリ学園から東京の花嫁学校にはいり、在学中に養子をむかえてすぐ子どもをうんだ。