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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
「ニューエイジ」1952(昭和27)年2月1日~11月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 113,429 字 · 227 页
ソンキにタンコにキッチンに仁太と、人の好いのがそろとったのに。竹一じゃとて、上の学校へいきだしてからは少しすましとったけど、人間はよかった。わたしらの組、お人好しばっかりじゃないですか。それが、男はみんなろくでもない目にあい、女は海千山千になってしもた。小ツやんや早苗さんじゃとて、やっぱり海千山千よ。ただその筆頭が、わたしとマッちゃんかな。でもやっぱり、人はわるうないですよ。苦労しただけ、もの分かりもええつもりです。ミイさんのような賢夫人や、小ツやんや早苗さんのオールド・ミスのおえら方にはできんことも、わたしらはするもん。なあマッちゃん、大いにやろう」
そういって松江のコップにビールをついだ。ビールをのんでいるのは二人だけなのだ。小ツルははじめから磯吉のそばにすわりこんで、いちいち食べるものの世話役をしているし、松江は松江で、ここがじぶんの持場だというように、小まめに立ったりすわったりして料理をはこんでいた。昔ながらのおとなしさで、だまってのんだり食ったりしている吉次とならんで、早苗はふきだしながら、先生のほうを見、
「な先生、そう思いませんか。こういうところに出ると一ばん役に立たんのは学校の先生だと」