轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いぶせますじによせて

井伏鱒二によせて

小山 清

「新潮 第五十巻四号」新潮社、1953(昭和28)年4月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,419 字 · 11 页

青空文庫

この文章を読む者は、友達の死後、またその宿屋へ出かけて行って、もう誰も消しに来る者のない水道栓から漏れる水音を聞きながら、依怙地な友達のことを、いや友達の依怙地さを追憶している井伏さんの心の温度を感じとればいいのだ。この文章には次のような数行もある。

「彼は気が弱かった。他人から非難されることを極度におそれるが、いったん非難されると自分で制御できなくなるほど棄鉢な口をきく。人の言動に対して、自分勝手にさまざまに味をつけて舌にのせるようなことを考え出すのである。或るとき私が『君は、独活が好きだろう。独活そのものには、格別の味はないが、主観で味をつけて食べるから』と云うと『さては日ごろから、僕のことをそう思ってたんだな』と彼は笑いにまぎらした。」

不満そうに口もとをひんまげた太宰の顔が見えるようである。ほかに誰がこういう太宰治を書いてくれただろう。

私などはどうも日頃人に対して、お前は黒だね、おれは白だよなんてことを、あからさまにいい過ぎる傾向がある。それにまた、他人の無意識をあらわにして、当人に自覚させるというようなことは、なんだかしたくないような気がする。