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じんぞうにんげんのひみつ

人造人間の秘密

海野 十三

「小学六年生」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页

青空文庫

ふふん、やっぱり中国人だったか」

と、フリッツ大尉は、失望したような口ぶりだった。

「おい、セン。お前は、モール博士と知り合いなのか」

「いいえ、知りませんなあ、モール博士などという人は」

私は、つづいて、うそをいった。身の安全のためには、博士との関係をいわない方がいいと思ったからだ。なぜといって、博士は、あれほどドイツおよびドイツ軍をきらっていたから。

「じゃ聞くが、あの黒い筒は、どうしたのか。お前の持っていた筒のことだよ」

フリッツ大尉は、私を睨みすえるように、いった。

(ははあ、大尉が、筒をあけて、あの中身を、写真にとってしまったんだな)

と、私は、はじめて知った。

「あの筒は、拾ったものです。なんだか、いいものが入っているように思ったので、持っていたのです」

私は、またもや、うそをいった。そういうより、仕方がないではないか。

「ふふん。まあ、そうしておいてもいいと……」

が、フリッツ大尉は、拳で、自分の背中をとんとんと叩きながら、

「とにかく、あの人造人間の設計図は、モール博士の研究したものであることは、たしかだ。余は、あの設計図を写真にうつして、本国政府へ報告した。