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じんぞうにんげんのひみつ
人造人間の秘密
海野 十三
「小学六年生」1940(昭和15)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页
「柔道で、投げとばすだけだ。柔道のことは、ニーナも知っているだろう」
と、私は、投げの形をして見せた。
「ああ柔道! 知っている、あたし。日本人は、ピストルがなくても、敵とたたかえるのね。まあ、すばらしい」
その足で、私は、フリッツ大尉の部屋へ飛びこんだ。もちろん大尉は、ベッドの中で、ぐうぐういびきをかいて寝ていた。大尉の上衣が、壁にかかっている。私はそのポケットを探した。一束の鍵が、手にさわった。私は狂喜した。それこそ、あの人造人間の指揮塔の扉の鍵だったのである。私はニーナの手をとって、階段づたいに、人造人間のいる三階へ、かけのぼって行った。
ニーナは、その途中で、私に、こんなことをいった。
「なにもかも、お芝居のように、うまくいくのね。あんまり、うまくいきすぎると思うわ。それにしても、フリッツ大尉は、なんというだらしない人でしょう」
ニーナは、あきれている。私とて、じつはこううまくいくとは、思っていなかったのだ。脱出方法のことや、大尉が、無造作にポケットになげこんだ指揮塔の鍵束のことなどは、ちゃんとしらべてあったのだが、それにしても、こううまくいくとは思いがけなかった。