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じんぞうにんげんのひみつ
人造人間の秘密
海野 十三
「小学六年生」1940(昭和15)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页
「出発から、破壊から、疾走から、それから国境越えまで、なにからなにまで、私が計画したとおり、配電盤の前に残っているあの人造人間が、順序正しくやってくれるんだ。まあ、見ているがいい」
私は、得意だった。ニーナと私をのせた人造人間は、肩を並べて、すッすッすッと歩きだした。そして階段をもう一階、上にのぼると、たいへんな力を出して、扉を押したおし、外へ出た。そこには一条のりっぱな地下道がついていた。人造人間は、そのうえを、走りだした。だんだんスピードがあがってきて、風がひゅうひゅう鳴りだした。
「ニーナ、おちないように、人造人間の背中に、しがみついているんだ!」
「ええ」
人造人間は、砲弾のように走る。
あっという間に、衛兵所の前を通りすぎた。そして地下道から外に出た。草の匂いが、ぷうんとした。二人の人造人間は、なおも肩を並べ、風を切って走りいく。
(どうも、あんまりうまくいきすぎたようだ)
私は、人造人間を利用したこの脱出計画が、あまりにうまくいきすぎて、うれしくもあったが、意外な感がしないでもなかった。それにしても、衛兵が発砲するでもなし、誰かが後を追いかけてくるでもなし、全く意外なことだらけであった。