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じんぞうにんげんのひみつ

人造人間の秘密

海野 十三

「小学六年生」1940(昭和15)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,664 字 · 38 页

青空文庫

いや、違う。アパートには、こんな妙な室はなかった。ここの部屋ときたら、まるで工場の物置みたいである。

「あたし、ニーナよ。でも、千吉、うまく気がついてくれて、よかったわね。あたし、千吉はもう、死んでしまうのかと思ったのよ。だって、あたしが見つけたときは、千吉は、青い顔をして倒れているし、上衣は血まみれだし、シャツの腕からは、傷口が見えるし……」

「傷?」

私は、そのとき始めて、脈をうつたびに、左腕がずきんずきんと痛むのに気がついた。

「あっ、左腕をやられていたのか」

腕には、誰がしてくれたのか、ちゃんと繃帯がまいてあった。

そのとき私は、たいへんなことを思いだした。左手でわきの下に、しっかり抱えていた例の黒い筒は、どうしたのだろう。どこへいってしまったのだろうか。

怪しい設計図

私が、きょろきょろとあたりを見廻すものだから、ニーナはそれと気がついたらしい。

「どうしたの、千吉」

「大切な品物だ。私は黒い筒をもっていたんだが、ニーナはそれを見なかったかね」

ニーナは、にっこり笑った。

「黒い筒ならちゃんとあるわ」

「どこに?」

「千吉の寝ている藁の下にあるわ」