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じんぞうにんげんエフし
人造人間エフ氏
海野 十三
「ラヂオ子供のテキスト」日本放送協会出版、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,879 字 · 109 页
そのときはもう、張は死骸のようにのびていた。
船長のところへしらせがいったので、やがて彼は船具室までおりてきた。
「おい、張。なにもかも、もうすっかり白状したがいいぞ」
「ううっ――」
「白状すれば、お前の罪をゆるしてやるといっているのが、わからないか。おい、張、さっきお前は、正太という船客の顔をみて、なぜおどろいてにげだしたのだい」
「ああっ、それは――」
「こっちにはすっかりわかっているんだ。はやく白状しただけ、お前の得だぞ」
「ああ、もういいます」と張はくるしそうにいった。
「――が、あの子供、そこにいると、わたしいえない」
「あの子供のお客さんはこの船具室にはいないよ」
「ほんと、あるな。では、いう。わたし、あの子供にたのまれた」
怪火
中国人コックの張は、意外にも、煙をだすボールを海のなかへなげこむことを、正太少年にたのまれたと白状した。
「ええっ、あの正太さんに頼まれたというのか」
まさかとおもったのに、張が正太に頼まれたといったものだから、船長もことの意外におどろいた。もしや張が、同じ姿の少年である正太を、同じ人とみまちがえたのではないかと念をおしたが、張はつよくかぶりをふって、