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にんげんかい
人間灰
海野 十三
「新青年」博文館、1934(昭和9)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,345 字 · 33 页
丘署長は、この激しい詰問に遭って、顔を赤くしたり蒼くしたり、著しい苦悶の状を示した。しかし遂に決心の腹を極めたらしく、大きな身体をクルリと廻わすやいなや、青谷技師に躍りかかった。
「さあもう欺されんぞ。君を殺人犯の容疑者として逮捕する!」
「これは怪しからん」
青谷技師は激しく抵抗したが、署長の忠実なる部下の腕力のために蹂躪されてしまった。彼の両手には鉄の手錠がピチリという音と共に嵌ってしまった。しかし署長以外の者は、意外という外に何のことやら判りかねた。
「おうおう、派手なことをやったな。但し君はまさか気が変になったんじゃなかろうネ」とK新報社長がやっと一と声あげた。
丘署長はそれに構わず、技師を引立てた。
「署長さん――」と青谷は怨めしそうに叫んだ。「これは何が何でもひどいじゃないですか。どうして手錠を嵌められるのです。その理由を云って下さい」
「理由?――それは調室へ行ってから、こっちで言わせてやるよ」
7
青谷技師は調室の真中に引きだされ、署長以下の険しい視線と罵言とに責められていた。彼は極力犯行を否定した。
「……判らなきゃ、こっちで言ってやる」