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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

「講談雑記」1936(昭和11)年1月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 80,178 字 · 159 页

青空文庫

「猿まわしと見誤ったというのか?」

「その通りじゃ、いやはやどうも」

「拙者猿は持っていない」

「御意で、いやはや、アッハッハッ」

「そそっかしいにも程があるな」

「程があるとも、一言もない、怪我なかったが幸いじゃ」

「すんでに貴公を斬るところだった。これから貴公たちどうするつもりじゃ」

「剛腹じゃ。このままではのう。……そこでこの辺りをもう一度探して……」

「人違いをして叩っ切られるか」

「まさか、そうそうは、アッハッハッ。……貴殿も一緒に探さぬかな」

「厭なことじゃ。ご免蒙ろう。……今日拙者は非番なのでな、そこで両国へ行ったところ、あそこへ行くと妙なもので、田舎者のような気持になる。それで拙者もその気になって、曲独楽の定席へ飛び込んだものよ。すると、そこに綺麗な女太夫がいて……」

「ははあ、その美形を呼び出して、船宿でか? ……こいつがこいつが!」

「何の馬鹿らしいそのようなこと。……もう女には飽きている身じゃ。……ただその美しい女太夫から、珍らしい物を貰うたので、これから緩々屋敷へ帰って、その物を味わおうとこういうのじゃ。……ご免」と主税は歩き出した。

猿廻し

歩きながら考えた。